800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
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総評
2013年春クールに始まったロボットアニメ3作品の中で一番ロボットアニメらしい展開をしてくれたアニメでした。初回放送を見た段階ではあまりに緩いノリとギャグ成分の多さにキッズ向けアニメを意識した作りなのかな?と誤解してしまいましたが、キャラクター達が少しづつ成長していき、後半からはしっかりとした骨太な作りのアニメに変貌していましたね。
作品テーマの一つである”成長”を魅せるために敢えてこういった構成にしたのだと思います。まともなバトル回が8話「ケレス大戦」と通常のアニメに較べて遅い構成になっていたのも同じ理由でしょう。
昨今の多作で視聴を切られやすいアニメ環境のなか、こういったストーリー構成を採るという決断は勇気のいることだと思います。が、それだけの決断に見合う効果がありました。
24話まで見た今、またもう一度最初から見返したいアニメです。
3DCGについて
本作の特筆すべき点はなんといっても3DCGでのバトル描写ではないでしょうか?今までは3DCGでのロボボトルというと、どこか違和感があり作画でのバトルと較べて見劣りする印象がありましたが、そんな印象を本作が塗り替えてくれました。2D作画での動きを3DCGで再現したかのような動きにグイグイと引きこまれ、さらに3DCGの強みを活かした超ハイスピードバトルに至っては2D作画を超えた感がありました。残念ながら僕は3DCGを語れるほど技術を知らないのでアレですが、素人目に観ても恐ろしく手の込んだ事をしているなという事を感じました。誰か詳しい人もしくは中の人が技術的な解説している記事があれば読んでみたいですね。
3DCGを担当したオレンジは恥ずかしながら本作で初めて知りましたが今後大注目の制作会社ではないかと思います。また本作で示した3D技術が今後の3Dを使ったロボアニメのディファクトスタンダードになるのではないかと期待しています。
ストーリー構成について
まずはなんといっても2クールかけてキッチリと成長を描いてくれるストーリーというのは頼もしいなと、改めて感じましたね。”とりあえず1クール”というアニメが多い中で本作は輝いていましたね。本作が扱っていたテーマは、”戦争”を軸に作られた生命、生きる目的、戦場での生死、仲間と家族など実に重いものばかりでしたが、作品が重くなりすぎずに済んだのは吉田玲子さんを筆頭にした脚本陣の手腕かなと思います。
本当にマジプリ独特のあの緩いノリは作品の雰囲気をコントロールする上で重要でしたね。まぁあのノリが嫌な人もいるかとは思うんですが、そういう人はきっちり序盤で振り下ろしにかかってましたし問題ないかと。
逆にこのノリが好きな自分なんかは、24話でまさか多段ツッコミが復活するとは!という思いでしたよ。あの多段ツッコミは初期のマジェプリを象徴するギミックでしたから、あのタイミングで復活してくるというのはテクニカルなストーリー構成でした。ヤラレた!という思いと感無量という思いがないまぜになる良いシーンです。
キャラクター設定もチームラビッツのどこか緩いんだけど本人たちなりに真剣に各テーマと向き合っていて親近感がわく良いキャラ達でした。
また8話を皮切りにバトルが回を追うごとにグレードアップしていて楽しめたのは、成長をメインに描いていたストーリー構成がバッチリバトル描写と組み合った結果かなと思います。
あと1歩だった所
基本的には良作でケチを付けるのも野暮ではあるんですが、少し残念だったのはエピローグが豪快に削られている点ですね。もちろんあのラストですから、完全にハッピーエンドではないですし、戦闘が一段落してしまったあとの世界でチームラビッツの面々の置かれる立場や繰り返し描かれてきた”一枚岩では無い”世界の不穏さなどエピローグを描いてしまうことで逆にモヤモヤが残るという判断だったのではないでしょうか?
で、あればやはりここは2期に期待したいかな、と。いよいよ本気に為ったウルガルと今回辛勝した地球側との戦いをぜひ観てみたいです。
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