800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
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TVアニメ 惡の華のまとめ感想です。
長濱博史監督の演出力が高すぎて恐ろしくなるアニメでしたね。
初回感想の時も書いたんだけど、原作マンガは話の陰鬱さにやられて読み進められなかったんですよ。(1巻で挫折)それがアニメだとグイグイ引き寄せられて、しまいにゃ2期作ってくれと熱望する始末。
もちろん原作ストーリーのショッキングさありきなのは重々承知なんですが、この30分引きつける強さ、来週も絶対観ようと思わせる強さっていうのは演出力の高さがなせる業かと思いますね。
個人的には2013年第2クール終了作品の中では最高のアニメだと思うのですが、同時に春日や仲村の気持ちに寄り添えない人には意味不明な作品なんだろうなとも思います。(ロトスコが肌に合わないとかいう戯言を抜かしてる奴は論外)
特に7話のラストに共感できるか否かが大きい。あのシーンは春日・仲村の中に溜まっていた鬱憤がドバーーー!っとスバーーー!っと解放されるわけですが、あれに1mmも共感できないならこのアニメを観ても何も得られないと思うわけです。これはもう人生観の問題なのでしょうがない。
なのでぜひクソムシと自覚のある貴方は絶対に観たほうが良い!とオススメしたいです。
初回放送で物議を醸した全編ロトスコープの作画も、その特性を折込済みで演出されているのでまるで違和感なく受け入れられました。(世間で物議を醸していたのはロトスコというよりも、敢えてブサイク気味にしているキャラデザなんだけどね)
ロトスコープを採用した良かった点の一つに空気感がより強く伝わるという点があると思います。
仲村も春日もあの町や学校の閉鎖感に辟易しながら日々を生きているわけですが、その空気感がダイレクトに視聴者へ伝わるか否かでは物語への没入度が違ってきますよね。
最早ロトスコープ無しでこの作品は成り立たないなと思えるほど、作品にマッチした手法でした。
ロトスコープの恩恵を特に受けていたのは仲村さんでした。彼女の持つ独特の威圧感は実写キャストの佐々木南さんの”動きの演技”と声優キャストの伊瀬茉莉也の”声の演技”が合わさって初めて出来上がるキャラクターだった思います。
それと仲村さんの走りのリアルさね。何も気取らない素人っぽいマジ走りがすごく新鮮でした。仲村さんの走りが見れるのは5話、6話、11話、12話ですので気になった方はぜひ見返してください。必見です。
多すぎるのでとりあえず箇条書きで。
・第1話のOP・EDの入り方
・第1話で桐生市のくたびれ方、春日の捻くれ具合、90年台初期という時代背景を表現している点
・4話でのトイレで吠える仲村さん
・5話での公園のシーンって徐々に日が陰ってるらしいぜ?
・7話のラスト
・8話の冒頭10分の無言シーン
・10話での家を出るときに嘘をつく佐伯さん
・10話での山のシーン
・11話での春日の深夜徘徊が夢へと変化していくシーン
・12話ラストでのEDの入り方が1話と一緒になっている点
・13話仲村さんの部屋の緊張感、春日の視線描写
こうして見るとやはり6話まではあくまで仕込みで7話から、グっと話が動き出した感がありますね。
最終回での描写を見るとここからさらに話が拗れる予感が満載なのでぜひ第2部制作を願いたいものです。
それでは、また次回。
総評
長濱博史監督の演出力が高すぎて恐ろしくなるアニメでしたね。
初回感想の時も書いたんだけど、原作マンガは話の陰鬱さにやられて読み進められなかったんですよ。(1巻で挫折)それがアニメだとグイグイ引き寄せられて、しまいにゃ2期作ってくれと熱望する始末。
もちろん原作ストーリーのショッキングさありきなのは重々承知なんですが、この30分引きつける強さ、来週も絶対観ようと思わせる強さっていうのは演出力の高さがなせる業かと思いますね。
個人的には2013年第2クール終了作品の中では最高のアニメだと思うのですが、同時に春日や仲村の気持ちに寄り添えない人には意味不明な作品なんだろうなとも思います。(ロトスコが肌に合わないとかいう戯言を抜かしてる奴は論外)
特に7話のラストに共感できるか否かが大きい。あのシーンは春日・仲村の中に溜まっていた鬱憤がドバーーー!っとスバーーー!っと解放されるわけですが、あれに1mmも共感できないならこのアニメを観ても何も得られないと思うわけです。これはもう人生観の問題なのでしょうがない。
なのでぜひクソムシと自覚のある貴方は絶対に観たほうが良い!とオススメしたいです。
ロトスコープ
初回放送で物議を醸した全編ロトスコープの作画も、その特性を折込済みで演出されているのでまるで違和感なく受け入れられました。(世間で物議を醸していたのはロトスコというよりも、敢えてブサイク気味にしているキャラデザなんだけどね)
ロトスコープを採用した良かった点の一つに空気感がより強く伝わるという点があると思います。
仲村も春日もあの町や学校の閉鎖感に辟易しながら日々を生きているわけですが、その空気感がダイレクトに視聴者へ伝わるか否かでは物語への没入度が違ってきますよね。
最早ロトスコープ無しでこの作品は成り立たないなと思えるほど、作品にマッチした手法でした。
ロトスコープの恩恵を特に受けていたのは仲村さんでした。彼女の持つ独特の威圧感は実写キャストの佐々木南さんの”動きの演技”と声優キャストの伊瀬茉莉也の”声の演技”が合わさって初めて出来上がるキャラクターだった思います。
それと仲村さんの走りのリアルさね。何も気取らない素人っぽいマジ走りがすごく新鮮でした。仲村さんの走りが見れるのは5話、6話、11話、12話ですので気になった方はぜひ見返してください。必見です。
名シーン集
多すぎるのでとりあえず箇条書きで。
・第1話のOP・EDの入り方
・第1話で桐生市のくたびれ方、春日の捻くれ具合、90年台初期という時代背景を表現している点
・4話でのトイレで吠える仲村さん
・5話での公園のシーンって徐々に日が陰ってるらしいぜ?
・7話のラスト
・8話の冒頭10分の無言シーン
・10話での家を出るときに嘘をつく佐伯さん
・10話での山のシーン
・11話での春日の深夜徘徊が夢へと変化していくシーン
・12話ラストでのEDの入り方が1話と一緒になっている点
・13話仲村さんの部屋の緊張感、春日の視線描写
こうして見るとやはり6話まではあくまで仕込みで7話から、グっと話が動き出した感がありますね。
最終回での描写を見るとここからさらに話が拗れる予感が満載なのでぜひ第2部制作を願いたいものです。
それでは、また次回。
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TVアニメ 翠星のガルガンティアのまとめ感想です。
個人的にはかなり大好きな部類に入る作品でした。ガルガンティア・銀河同盟・ヒディアーズといったSFギミックを詰め込んだ世界観がまず魅力的で、ガルガンティアでの生活描写をじっくり見せてくれるだけでもうお腹いっぱいになれますね。
キャラクターも鳴子ハナハルのキャラデザの魅力を全面に押し出してくれて大満足。ムッチリ美少女は正義。
テーマも最初から最後までレドの成長という1点に絞って描いていたので最終回で綺麗にまとまったと思います。
しかし反面、これだけ魅力的な世界・キャラクターを用意しながらレドの成長しか見せてくれなのか!という贅沢な憤りは残りますね。水没した地球社会や銀河同盟VSヒディアーズという業の深い対立関係ってだけで1本の長編アニメが書けそうな美味しい設定ですからね。レドとエイミーの交流がもっと続いていればとか、もしクーゲル中佐が生きていればとか、もし銀河同盟に戻れる方法があったらとか……色々と妄想は尽きません。
ただまぁ、13話という尺ありきで考えればテーマを絞ったことは大正解だと思いますね。これ以上要素を入れてもパンクするだけでしょうから。
尺の都合で割りを食った感があるヒロイン・エイミーとは対照的に、主人公の相棒たるチェインバーは見せ場満載で最終回なんかは半ば彼のためにあるといっても過言ではありませんでした。
レドが13話かけて成長したのと同様に、チェインバーも銀河同盟から切り離されて独自判断を繰り返す内に変容していたという流れにはグッとくるのもがあります。
ある意味でレドとチェインバーのバディ物として捉えてもいいかと思います。
特に9話以降の話はレドの根幹にある銀河同盟的思想といかに折り合いを付けていくか、という点が主題に置かれていることもあって結果的にレドとチェインバーとの関係によりスポットが当たる形になりましたね。
この辺意図的にやったのか、たまたまそうなったのかが微妙に判断出来ませんが、最終的にロボ萌え・AI萌え展開になるってのはちょっと尖ってるなぁという印象を受けました。
まぁ俺は大喜びなんですが。
シリーズ構成が虚淵玄さんということでどうしても脚本面で注目を集めがちな本作ですが、むしろ魅力的だったのは地力のしっかりした丁寧な演出だったかなという印象です。
とにかくSF設定が凝っている作品で、そういった設定面をセリフではなく丁寧に画面で見せてくれました。1話~8話では船団の構造や社会形態を見せるシーンが多くて僕なんかはそういった所で心を掴まれましたね。
監督の村田和也さんは監督作が少なく、僕はノーマークだったんですがこれからチェックしたい監督さんの一人になりました。
あとなんといってもEDの映像がね。なんともノスタルジックな演出と今時の綺麗な作画の組み合わせはドキっとしましたねぇ。(エイミーのパンツ見えるし)
それでは、また次回。
総評
個人的にはかなり大好きな部類に入る作品でした。ガルガンティア・銀河同盟・ヒディアーズといったSFギミックを詰め込んだ世界観がまず魅力的で、ガルガンティアでの生活描写をじっくり見せてくれるだけでもうお腹いっぱいになれますね。
キャラクターも鳴子ハナハルのキャラデザの魅力を全面に押し出してくれて大満足。ムッチリ美少女は正義。
テーマも最初から最後までレドの成長という1点に絞って描いていたので最終回で綺麗にまとまったと思います。
しかし反面、これだけ魅力的な世界・キャラクターを用意しながらレドの成長しか見せてくれなのか!という贅沢な憤りは残りますね。水没した地球社会や銀河同盟VSヒディアーズという業の深い対立関係ってだけで1本の長編アニメが書けそうな美味しい設定ですからね。レドとエイミーの交流がもっと続いていればとか、もしクーゲル中佐が生きていればとか、もし銀河同盟に戻れる方法があったらとか……色々と妄想は尽きません。
ただまぁ、13話という尺ありきで考えればテーマを絞ったことは大正解だと思いますね。これ以上要素を入れてもパンクするだけでしょうから。
チェインバーについて
尺の都合で割りを食った感があるヒロイン・エイミーとは対照的に、主人公の相棒たるチェインバーは見せ場満載で最終回なんかは半ば彼のためにあるといっても過言ではありませんでした。
レドが13話かけて成長したのと同様に、チェインバーも銀河同盟から切り離されて独自判断を繰り返す内に変容していたという流れにはグッとくるのもがあります。
ある意味でレドとチェインバーのバディ物として捉えてもいいかと思います。
特に9話以降の話はレドの根幹にある銀河同盟的思想といかに折り合いを付けていくか、という点が主題に置かれていることもあって結果的にレドとチェインバーとの関係によりスポットが当たる形になりましたね。
この辺意図的にやったのか、たまたまそうなったのかが微妙に判断出来ませんが、最終的にロボ萌え・AI萌え展開になるってのはちょっと尖ってるなぁという印象を受けました。
まぁ俺は大喜びなんですが。
演出について
シリーズ構成が虚淵玄さんということでどうしても脚本面で注目を集めがちな本作ですが、むしろ魅力的だったのは地力のしっかりした丁寧な演出だったかなという印象です。
とにかくSF設定が凝っている作品で、そういった設定面をセリフではなく丁寧に画面で見せてくれました。1話~8話では船団の構造や社会形態を見せるシーンが多くて僕なんかはそういった所で心を掴まれましたね。
監督の村田和也さんは監督作が少なく、僕はノーマークだったんですがこれからチェックしたい監督さんの一人になりました。
あとなんといってもEDの映像がね。なんともノスタルジックな演出と今時の綺麗な作画の組み合わせはドキっとしましたねぇ。(エイミーのパンツ見えるし)
それでは、また次回。
RDG レッドデータガール まとめ感想
TVアニメ RDG レッドデータガールのまとめ感想です。
なんとも惜しい作品でしたね。条件が揃えばきっともっと上手く料理できたはず。
1クールの作品としては上手くまとめたと思うし、導入と着地も見事だったんだけどどうしても小説5巻分を12話でまとめたことで無理だ出たな、という印象です。
全6巻のうち5巻までやるんだったら、一旦3巻ぐらいで区切って2期に望みを託すわけには行かなかったのかしら。
テーマ・モチーフ・雰囲気に心を惹かれ好きな作品になっていたので、1クールにまとめてしまったのは非常に残念でならない。
RDGで特徴的だったのは、”事象や心境を曖昧に描く”という演出方法でした。(以下、便宜的にこの演出方法を「曖昧な演出」と呼ぶ)
特に1話~3話でそういった特徴が色濃く出ていたと思います。
序盤ではこの演出方針について戸惑いを感じているような視聴者が多かったように思います。僕自身も最初は作品との距離感が掴めず首を捻りながら視聴していました。しかし回を重ねるごとに少しづつ作品世界に馴染んでいき曖昧な演出が心地よくなってきました。
いまでは曖昧な演出こそが作品のモチーフ・雰囲気を最大限に生かす演出方法だったと確信しています。
ただ総評でも触れたように長大な物語をたった12話でまとめることの弊害があり、細かい描写の端折りや強引なまとめ・展開が多くそのたびに曖昧な演出の魅力が削がれたように感じました。(特に宗田姉弟の心理描写が足りなかったため、戸隠編が残念なことに…。)
この演出方法を採用するにはどうしても長い尺が必要になるため、5巻分の内容を扱うには無理があったかなという気がします。
また曖昧な演出は必然的にドラマチックな演出と対極的な関係になってしまうわけですが物語である以上どうしても劇的な展開からは逃れられず、曖昧な演出からドラマチックな演出への移行に少し不自然さを感じました。
(ドラマチックな演出がダメというわけではなく、あくまで移行方法に難ありという風ご理解ください。僕も最終回のドラマチックさに心奪われたくちなので展開自体にはなんの文句もありません。)
本作のもう一つの魅力として音響も良かったと思います。
僕は音楽を語る語彙が少ないのでなんとも表現しづらいのですが、前段で挙げたようにメリハリよりも曖昧さが重要な本作においてBGMが重要な役割を果たしたのでは無いかと思います。
また伊藤真澄×畑亜貴の手がけるED曲が泉水子の心情に寄り添っていてまさに本作を象徴する曲になっていますね。物語の転換点で流れる泉水子バージョンも非常に良かった。
それでは、また次回。
TVアニメ RDG レッドデータガールのまとめ感想です。
総評
なんとも惜しい作品でしたね。条件が揃えばきっともっと上手く料理できたはず。
1クールの作品としては上手くまとめたと思うし、導入と着地も見事だったんだけどどうしても小説5巻分を12話でまとめたことで無理だ出たな、という印象です。
全6巻のうち5巻までやるんだったら、一旦3巻ぐらいで区切って2期に望みを託すわけには行かなかったのかしら。
テーマ・モチーフ・雰囲気に心を惹かれ好きな作品になっていたので、1クールにまとめてしまったのは非常に残念でならない。
演出の特徴
RDGで特徴的だったのは、”事象や心境を曖昧に描く”という演出方法でした。(以下、便宜的にこの演出方法を「曖昧な演出」と呼ぶ)
特に1話~3話でそういった特徴が色濃く出ていたと思います。
序盤ではこの演出方針について戸惑いを感じているような視聴者が多かったように思います。僕自身も最初は作品との距離感が掴めず首を捻りながら視聴していました。しかし回を重ねるごとに少しづつ作品世界に馴染んでいき曖昧な演出が心地よくなってきました。
いまでは曖昧な演出こそが作品のモチーフ・雰囲気を最大限に生かす演出方法だったと確信しています。
ただ総評でも触れたように長大な物語をたった12話でまとめることの弊害があり、細かい描写の端折りや強引なまとめ・展開が多くそのたびに曖昧な演出の魅力が削がれたように感じました。(特に宗田姉弟の心理描写が足りなかったため、戸隠編が残念なことに…。)
この演出方法を採用するにはどうしても長い尺が必要になるため、5巻分の内容を扱うには無理があったかなという気がします。
また曖昧な演出は必然的にドラマチックな演出と対極的な関係になってしまうわけですが物語である以上どうしても劇的な展開からは逃れられず、曖昧な演出からドラマチックな演出への移行に少し不自然さを感じました。
(ドラマチックな演出がダメというわけではなく、あくまで移行方法に難ありという風ご理解ください。僕も最終回のドラマチックさに心奪われたくちなので展開自体にはなんの文句もありません。)
音響
本作のもう一つの魅力として音響も良かったと思います。
僕は音楽を語る語彙が少ないのでなんとも表現しづらいのですが、前段で挙げたようにメリハリよりも曖昧さが重要な本作においてBGMが重要な役割を果たしたのでは無いかと思います。
また伊藤真澄×畑亜貴の手がけるED曲が泉水子の心情に寄り添っていてまさに本作を象徴する曲になっていますね。物語の転換点で流れる泉水子バージョンも非常に良かった。
それでは、また次回。