800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
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前回のレビューを残念アニメ編という形でまとめてしまったので、今期のレビューは同じフォーマットでまとめていこうと思います。というわけで普通アニメ編です。
のんのんびより
やはり4コマ原作じゃなければこの手の日常物も見れるんだなと再確認。どうにも4コマ原作だと1ネタのスパンが短くてぶつ切り感がを感じてしまってイライラするんですよね。ギャグとして見るとパンチが弱かったりするんですが、まぁ何回かは普通に笑っちゃったのでつまらないと切り捨てるには勿体無いかな、と。
あとギャグで埋めきれない放送時間枠をちょっと良い話で稼ぐのは作品相性的も良かったと思います。
制作陣がこの作品を”ギャグ物”として捉えているのか、”ちょっと良い話系日常物”として捉えているのかは謎ですが、やはり4話・10話が異常に良く出来ただけに”ちょっと良い話系日常物”としての成分が多かった印象ですね。それだけに最終回で中途半端にギャグを入れてしまったのが痛いかなと。
もうちょっと作品特性を掴んだ上で最終回を綺麗に良い話でまとめれば、良いアニメ見たなという満足感も高かった気がします。
まぁ概ねメディファク枠として考えれば大検討といった感じじゃないでしょうか。
ぎんぎつね
のんのんびよりと並んで今期の癒やし枠。こちらは完全にちょっと良い話系日常物の作品として仕上げてきてたので個人的な評価はのんのんより上。あまりにのんびり過ぎる作風ゆえに退屈な話とかもあるんですが、なんだかんだ最終回で綺麗に要素を収束させているんで捨て回とかないです。運転手の恋路の話とかもけして捨て回じゃない。
あんまりシリーズを統括して何か言うようなアニメじゃないんですが、あえて言うなら藤村歩さん演じるハルが最高でした。
某ネット掲示板で書き込まれていた「おきゃんな声しやがって」という評が忘れられません。
本当はこういうアニメを夕方枠とかに放送してくれると完璧なんですが、どうにもそういう時代じゃないのが悲しい所です。
蒼き鋼のアルペジオ
アルペジオは普通は普通でも、普通にダメだった方の作品。3DCGでのキャラ作画とかは全然良くて、問題は脚本ですね。”人間性”って大層なテーマを掲げている癖にやってることがひたすら安っぽいのは如何なものか。全部が全部ハリウッド映画にブチ込まれる”とりあえず感動しとけば良いシーン”に見えて超萎える。
しかも人間性以外に本当にテーマが無いのか登場人物が延々それしか言わないし、対するコンゴウも幼稚な反論しかしないしで全然テーマが彫り下がっていかない。なんなのこれ、メンタルモデル幼稚園なの?
そんでもって1クールしか枠が無いから原作から離れたオリジナルやろうって判断は良いんだけど、件のテーマ性が世界観や海戦と全然マッチしていない。
メンタル・モデルが特に理由もなくすぐに人間性に感化されるわ、役割放棄するわで回が進むごとに世界観設定がぶっ壊れていっておざなりになる始末。
いやー本当に2013年の岸誠二×上江洲誠作品はダメのダメダメでしたねぇ。
うーん岸監督ってこんなにダメでしたっけ。個人的には名作は作れないけど無難に面白い作品が作れる監督って評価だったんだけどなぁ……。
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はい、毎期恒例のまとめ感想です。
今期は、1話放送時の期待感のわりに尻すぼみに終わったアニメ、いわゆる残念アニメが多かった印象です。
というわけで、このエントリではその残念アニメ郡をひとまとめにレビューしたいと思います。
革命機ヴァルヴレイヴ
2013年最後の大物、最大のガッカリアニメといえばコレ。色々と悪評のある作品だけど何だかんだで1話とかワクワクしたよね?まぁ3話くらいで期待するのやめたけどね!
えーまぁとりあえず本作に向けて言うべき言葉は「この設定と24話分の話数使って視聴者に伝えたかったことそれだけ?」ですね。
なんか”相互不理解”、”学生の未熟さ”、”大衆の愚かさ”みたいな所が基本テーマになってたのだと思うけど、正直1クールあれば十分詰め込めた内容だと思うんですよね。
しかもカミツキ設定とかロボ設定とかほとんどテーマ関係ないし、カミツキのジャック設定とかほとんど本編で使われないし…。
逆にロボメイン、戦争メインで観るとどうも物足りない。1クール目にウダウダ15少年漂流記やってる暇あったら24話目のあとに独立国家作るまでの描写やってくれよとか思ってしまうよね。
なんで物足りないかといえば、本作の脚本の特徴としてアニメ的な気持ち良い展開、都合のいい展開を徹底的に避けているから。
まぁこれはこれで方法論として有りだと思いますけど、この設定・世界観でやることじゃなくない?だったら最初からロボとかカミツキとかいらないじゃんっていう。
アニメ的な都合の良さを避けるという事で言えば、崎森学園の一般生徒達が最初から最後まで衆愚に徹するというのも萎えますね。
普通は一般生徒達の変化を見せることで24話分の積み重ね・成長を表現できるのにそのこと否定して「200年経っても人間との溝は埋まりきってません」で締めるからね。
本当、1クールでやるならそのテーマでもいいけど2クールも使ってそれやられてもひたすら萎えるだけなんですけど……。
個人的には大河原脚本の大味な作風と、松尾監督の地味な作風が悪魔融合して生まれたどっちつかずな駄作って感じがしますね。
ロボとかSF設定全部捨てて、1クールかけて「ね、大衆って本当に愚かで救いがたいでしょ?」ってアニメ作ったらヴヴヴよりかは面白くなると思うよ。マジで。
境界の彼方
本作は僕自身はあんまり期待してなかったんで、まぁガッカリとも違うんですが京都アニメーションの超作画力、超演出力を駄脚本に注ぎ込んで錬成される駄アニメを観るとガッカリするなぁと。マジで全然皮肉じゃなく一番おもしろかったのが6話のギャグ回だからね。どうしてこうなった!
ただまぁラストのほうの展開を観るとちゃんと脚本を再構成すれば面白くなりそうな予感はするんですけどね。どうにも合間合間で余計なエピソードが挟まりすぎてて秋人と栗山さんの関係性をフィーチャーしきれなかったのが敗因かと思います。
ていうか続編作る気マンマンで色々と未回収の要素だしおいて、その結果テーマの主軸になる部分が疎かになるとかちょっとどうかと思いますよ。
ガリレイドンナ
2話までは間違いなく面白かったんだけどね……。色々言われてる最終話も2話までのハチャメチャ感を継続してれば許されたと思います。やはり3話~7話で無駄に重い世界観にしてしまったのが敗因でしょうか。
作品全体のフィクションレベルとかシリアス度といったものを管理できてない事を考えるとシリーズ構成置いてなかったのがマズかったんじゃないかなぁと思います。
あと9話・10話の過去話だけはまた例外的に面白いというか、テイストがシリーズのなかでで浮きすぎているというか、面白いのにこのタイミングでブチこんじゃうのは非常に勿体無いなぁというエピソードでしたね。
「ガリレオ」がキーワードになる本作ですから、恐らくこの過去話を入れる事はこの企画の初期から決まっていたんだろうと思います。で、あればロマンス溢れるこの話のテイストを軸に、シリーズのシリアス度を調整したらもっと良い作品になったんじゃないでしょうか?
いやもう本当、悪役のアドニムーンカンパニーをあんなに雑に処理するぐらいなら最初から出すなという気持ちでいっぱいです。
COPPELION
なんというか、ひたすらテンポの悪いアニメ化だったと思います。そもそもの話をしてしまうと、原作自体が結構ハチャメチャなノリでしかも作品の方向性から路線変更をしながら連載を続けている典型的週刊漫画誌連載作品なんですよね。
個人的にはその辺の粗をアニメでそう料理するのかなぁという点を期待しながら観てたんですが、ほとんどそのままアニメ化しちゃってましたねぇ……。
原作が非の打ち所が無いぐらい完璧に面白い作品ならそのままアニメ化もOKだと思うんですよ。(例えば蟲師とか)
でもCOPPELIONに関しては素人目にも分かるぐらい粗のある原作なんで、原作の良い所を生かし悪い所をカットするぐらいの思い切りがないと面白いアニメに昇華するのは難しいんじゃないかと思います。
あともっと身も蓋も無いことをいうと小津姉妹が仲間に為った後のほうが万倍面白いので、バトル展開になる前の人情話とか思い切りきってしまってよかったんじゃないでしょうか?
京騒戯画
基本的に作品のクオリティは高かったしテーマ性も回収してたんで、まぁガッカリともちょっと違うかもしれませんが、うーんでもやっぱガッカリかなぁ。何がガッカリかというと、まず1点目にもっとアクション多めの作品だと思って期待してたんですけど蓋を開けてみるとアクション少ない。
せっかく簡略化して動かしやすいキャラデザといくらでも暴れられる設定なのに大暴れしてるのが0話だけとか…。
あとテーマの肝になっている親父(石田明恵)が本当に大嫌い。俺的に全然許せないキャラだし愛せないのに、最終話で他のキャラに愛され・許されているのが全然納得いかない。
コトとフィーリングを同じくする視聴者なら納得の最終回なんだろうけど、そこから少しでも外れてしまうと、どうして親父を許せるのかという説明がほとんど無いので普通に辛い。
作品のキャラクターが「愛だろ、愛!」とか「なんとなく分かんだろ!」って勢いを持って行動するのは嫌いじゃないけど、作品を作る人間がそのノリだけで作品つくっちゃって、フィーリングが合わない人間を置いてきぼりにしてしまうのは如何なものかと思う。
特に”愛”という普遍的かつ高度なテーマに挑戦するなら、なおさらフィーリングだけに投げないでもっとちゃんと作品内になんらかの形を作って多くの視聴者に届けるように努力して欲しいなぁ、と。
で、そんな僕的に説明不足感満載の本作だからこそ5.5話とか復習編とかやってる暇なかったんじゃないかと思うんですよね。
その2話分使ってもっとキャラを掘り下げろよ!愛を形にしてくれよ!
どもども、お久しぶりです、いちナぎです。
今年は最後の四半期に入ってから多忙やら心が折れるやらで碌に更新が出来ず申し訳ない。
とりあえず今年最後の更新ということで日々アニメ視聴をこなす中で徒然と感じたことを書いて年末のご挨拶とさせて頂こうかな、なんて思います。
1クールアニメ多すぎ問題
いきなりネガティブな話題でアレですが、どうにも1クールでやるには勿体無いアニメが多くて悲しい思いをした年だったなぁと思います。まぁ1クールアニメ自体は今年にかぎらず年々増加傾向なんでこのタイミングで言うのも微妙かと思うんですが、一応この傾向に釘をさす意味で自分の思いを文章化しておこうかな、と。
個人的に分割2期って方式自体は(作画面での事情を考えれば)悪く無いと思うんですが、問題は原作物で1クールのアニメですよね。絶対1クールじゃ収まらない原作をなんで無理矢理1クールで収めようとするのか、僕には全然理解できないんですね。
アニメレビューをしていると、脚本家・演出家・作画陣の技量に問題があるわけでは無いのにクソのようなアニメが生産されてしまった理由を考えれば考える程、悲しくなってしまうんですよね。もうこれ企画段階で失敗しちゃってるじゃん、的な。
今年で言うなら、RDG-レッドデータガール-、俺がいる、デビルサバイバー2なんかが顕著だったと思うんですけど、どの作品も2クールあればもっと綺麗にお話がまとまったと思うんですよね。
2期前提の企画じゃないにしろ、とりあえず1クールで収まるラインでお話をまとめて、なんとか高い評価を得て次に希望を繋ぐというわけにい行かないんでしょうか?
また販促目的のアニメの場合でも、アニメがクソなら原作に手を出そうなんて思わないんじゃないかと思うんですね。この問題を考えれば考える程どうにも理が合わなくて悶々としてしまいます。
アニメ業界のどこに問題があってこんな杜撰なアニメ企画が通ってしまうのか、いち視聴者には分かりかねますが、少しでも杜撰なアニメ化企画が無くなることを祈っています。
3DCGマジすごい
今年は3DCGでの表現が花開いた年だったかなと思います。もちろん3DCG界隈からしてみれば今年に限った話じゃないんでしょうけれど、いちアニメ視聴者にも分かる形で表に出てきたのは今年だったかな、と。アイカツ・プリリズといった女児ダンスブームの波を受けての3DCG進化の系譜も興味深いところではあるんですが、そちらは専門外なのでここでは割愛するとして、やはり深夜アニメ部門で話題を挙げるならマジェスティックプリンスとアルペジオが2大3DCG作品となるんじゃないでしょうか。
マジェスティックプリンスでは、今まで2D作画の代替的な表現に終始していた3Dロボを”3Dじゃないと表現できない物”へと昇華したターニングポイント的な作品だったと思います。
今後は3Dをロボを採用する作品でも、マジェプリでの表現が一つの比較対象になっていくのかなと思います。
そしてアルペジオでは人物作画を全て3DCGに置き換えるという試み。これは大成功したんじゃないかと思います。
まず2D作画と違うことで感じる違和感は2話ぐらいで無くなりましたし、動きのあるシーンなんかでは3DCGの強みを出せたと思います。勿論これはサンジゲンが2D作画に寄せた3DCGが得意であるという点が強く作用しているんでしょうが。
ただもうちょっと工夫が必要だなと思うのは、止めで魅せるシーンが2D作画に劣ってしまう点ですね。まぁこれは作画だけの問題じゃなくてコンテ・レイアウト・作画の共同作業なので一概に判断は出来ませんが。
上記2例をみて、僕の中では3DCGが作画負担軽減の道具ではなく、一つの表現方法・作品内での武器として機能するものだと認識を新たにしました。
来年以降、3DCGをどうやって活用していくのか?という点もアニメにおける評価点になっていくのではないかと思います。
面白いアニメが増えた
完全に体感でしか無いので恐縮なんですけど、面白いアニメが多くて週刊視聴本数が増えたなぁという印象。去年が平均週10本前後で、今年が15本前後だったと思います。それと明確にダメなアニメが減ったというのも視聴本数が増えた要因かなぁと思うんですよね。あんまり力が入っていないようなアニメ企画でも最低限のラインはクリアするだけのポテンシャルがあったりして、この辺はアニメ業界全体の技術力向上を感じたりします。
そんなこんなで観るに値するアニメ多いことは幸せなんですが、問題はちょっと本数が多くてちゃんと追い切れない点。
1本1本簡易レビューしていくとなると、どうも週10本くらいが限界のようで15本こなしていくのはちょっと難しいなと感じる今日このごろです。
まぁ正直最後まで観て「やっぱり観なくても良かったな」って作品もちょいちょいあるんですが、早い段階で切ってしまうと後から”化ける”作品もあったりで悔しい思いをするんですよね。
まぁこの辺は選定眼を鍛えてバシバシ切っていくしか無いんでしょうが…まぁ難しいな、と。
作品を選定していくという目線で観ると1話詐欺みたいなアニメが一番困りますね。(某ガリレオなアレとか…)そういう意味で1話できちんと方向性を示してくれてその通りに進行してくれるアニメが素晴らしいと思います。
大雑把にまとめてしまいますけど、2013年アニメ的にはいい年だったと思います。着実に進化してるぜ日本のアニメ文化。
僕も引き続き細々とレビューという形でこの文化に関わっていけたら良いなぁなんて思います。
それでは、また来年。