800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
プリズマ☆イリヤ
序盤のハチャメチャなノリに反してバトル描写・シリアス展開がガチすぎてちょっと食い合せが悪かったかなという印象。というか10話で終わらすくらいならあと2話くらいギャグ回入れて欲しかった。学校のメンツとか全然活躍の機会なかったじゃないですかー。作品上の伏線を1個も回収してないし、10話で終わったという点も含め壮大な前フリという印象が強いです。分割2期前提とはいえもうちょっと視聴者に対して誠意ある作品作りをして欲しい所。
良かった所は異様にねちっこい幼女描写。これは変態が作画してるに違いないと確信する。
ファンタジスタドール
今期の伏兵。4話のカオスなノリにやられて最後まで付いて行ってしまった。最後まで観たけど結局このアニメがなんなんだか全然分からないのがスゴイわ。いやすげー面白かったけどね。
ゲームの宣伝ってわけでもないし、かといってオリジナル作品といわれると変に媚びた要素多いし、脚本的にはカオスだし……と、とにかく制作陣が何を狙って作ってるのか全然読めない作品でした。
必見なのは4話・7話・10話・12話。
ちなみに12話ではまさかの谷口節が聞けます。
2期希望。
私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!
順当なアニメ化だったかと。原作のアレさを綺麗なキャラデザとポップな演出でマイルドにさせていて悲壮感が消せていたと思います。あともこっちのCVだった橘田さんが意外でしたね。あの声のほうが素に近いとか今まで一体何をしてきたのかと。こんな稀有な声を隠すなんて勿体無い。
BROTHERS CONFLICT
カオス枠として視聴していたんだけど、結構最後のほう落ち着いちゃった感じだなぁ。初期の主体性がない妹ちゃんの方が観ててドキドキできたな、と。というか妹ちゃんが主体性をもって兄妹間の恋愛を回避しちゃうと兄貴達の異常性が際立っちゃってちょっと無いなーという感じ。
結局EDの面白さを超えることが無かったかなぁ。
幻影ヲ駆ケル太陽
結構周りでは評価する声を聞くんだけど、僕的には残念アニメだったかなぁ。というか素直すぎちゃって深夜の魔法少女アニメに期待する点を全部スルーされちゃった感じ。せめて1人ぐらい死のうよ。不思議パワーで復活とか、ダメだって。むしろこのぐらい健全なアニメだったら夕方枠で放送して欲しいかなぁと思った。まぁもはや少しでもオタク臭いアニメが夕方に放送される時代では無いんだろうけどさ……。
あとこういう事言うと煙たがれると思うんだけどやっぱりまどマギに先を越されちゃったのが痛いと思う。企画自体がまどマギ以前に走ってたらしいからなおさら。
色々と被る要素が多い上に”過激な魔法少女像”を向こうのほうが先に定義しちゃったからショッキングな展開でパワー負けした感があるんだよねぇ。
むしろショッキングな要素抜いてもうちょっと健全に魔法少女やってたらもうちょっと評価が違った気がしなくもない。
色々と惜しい作品では有りました。
マジでオタクなイングリッシュ! りぼんちゃん
何が何だか分からないと思いながらも最後まで観てしまいました。この作品に至っては良いとか悪いとかそういう次元の問題じゃない気がします。というかなんだこれ。最後まで観たけど何だか分からなすぎて焦る。
銀の匙
悪くはなかった。てことは手放しには褒められないんだけど、要はノイタミナに期待する”尖った感じ”と少年誌原作特有の超丁寧なストーリー展開の食い合せが悪かったんだよねぇ。
深夜アニメ観てる層なんてある程度基本的な説明はセリフ無くてもで十分読み取れるのに、超丁寧に全部説明してくれるおかげでテンポが悪かったり、かったるかったりでどうも乗り切れない。
もっと思い切って深夜アニメ用のリファインをしちゃって良いと思う。
とはいえ扱ってる主題は面白いし、ピザ回、ベーコン回は面白美味しそうで良かったので2期に期待したいかなぁという感じ。
ダンガンロンパ
色々と無理があったよ、うん。ゲームの演出を一部流用するならともかくまんま全部だされてもポカーンだし、そもそもトリックや殺人の動機が甘かったりとどうも、ね。まぁラストのエノシマジュンコの入れ替わりトリックは面白かったけど。
ラストのオチもゲーム的には落ちるんだけどアニメ的には落ちてるとは言いがたいし、根本的にゲームで生きる脚本とアニメで生きる脚本は違うなぁという事を痛感しました。
岸監督ってそこまで頭が悪い人じゃないと思うんだけど、どうもこの春夏の2本を観ると脚本面の采配に大きな疑問が残るなぁ。うーん、ちょっとこの監督の評価が揺らぐわ。
以上、2013年9月終了作品13本のアニメレビューが終了しました。個別記事は以下のリンクから。
マジェスティックプリンス まとめ感想
ローゼンメイデン-3期- まとめ感想
ガッチャマンクラウズ まとめ感想
有頂天家族 まとめ感想
進撃の巨人 まとめ感想
わーいわーい、長かったよー辛いかったよー。
コレ書くために2週間以上逃げまわってたからなぁ。まだ新作アニメ1本も観てないし……。
いやー夏クールは観てるアニメ自体多かった感じ。ちょっと無理しちゃいましたね。個人的には週10本が限度なのでこれからはそのぐらいを目処に作品選定していきたい所存です。
それでは、また次回。
PR
総評
漫画界に10数年単位で現れる天才的新人の作品のアニメ化ということで、放送前からド本命と目されていた本作。恐らく普通にアニメ化するだけでも十分評価されるぐらいに原作にパワーがあるわけですが、その原作パワーに負けないぐらいの作品作りで応え、原作を超えるものを作り上げたアニメ化だったと思います。とにかく立体機動・巨人のアクションが圧巻の出来でしたね。ストーリー面については弄りようがない分、アクション面が重点的になりますし、原作を読んだ誰もが「立体機動ってどうやって動くんだろう」と想像するわけですから絶対にしくじれない描写でしたが見事にその期待感のハードルを超え誰もが納得するアクションを描いてくれました。
アクション回と溜め回が上手いバランスで成立していたのも良かったですね。アクション回については毎回心踊るもの良いアクションが観れたと思います。
また原作で一貫して貫かれている”残酷な世界”というテーマ性を汲み演出や追加エピソードに反映されていて、原作を補強するような二人三脚の良いアニメ化でした。
2013年を代表するアニメ作品といって過言では無いでしょう。
ストーリー構成・脚本について
原作自体がアクションと共に巨人の謎や世界の理不尽を描いているので、アクションが無い回でも引っ張り込まれる力強さのある作品です。アニメ化に至ってはアクションの大幅補強でアクション回は大満足な上でその間の溜め回も世界観を知る上で重要ときているのでアニメ初見組の人なら飽きる暇なく引っ張り込まれるん構成だったんじゃなかと思います。また総評でも触れましたが、アニメの尺に落とし組む際にどうしても発生する間を埋めるために挟まれる追加エピソードも原作の雰囲気を反映し、かつより強固なものにするエピソードが多くスタッフの本気度を感じましたね。
あと謎のジャン推し。大抵の追加エピソードが基本ジャン推しなのはなんでなのか。いや嫌いじゃないけど。アニ戦にまで参加して大出世だなジャン。
作画・演出について
”作画兵団”という造語が生まれるほど作画スタッフの過労が心配されたアクション密度でまさに総力戦といった印象でした。それこそバケモノ原作という巨人に立ち向かう作画兵団という感じですね。実際問題1クール目後半で若干の息切れを感じたものの、それ以降は安定して高密度のアクションが展開され最終回では出し惜しみ話だ!とばかりにそれまでで最高のアクションバトルが楽しめました。
アクション以外でも、エレンやミカサを筆頭に狂気じみた精神を反映した表情に迫力があり全体的に熱量のある作画だったと思います。
一点残念だったのは原作のギャグ描写をいまいち表現しきれなかったかな、という点。これはシリアス作画のままギャグ表現に突入できる原作者の稀有なマンガ力が成せる業なので仕方ないかもしれませんがアニメ化ではシリアスな雰囲気の方が勝ってしまってちょっとギャグが弱かった気がします。
役者陣について
正義とか悪とか考える前にまず殺せ!と言わんばかりの狂気の攻撃性に満ちた最近珍しいタイプの主人公エレンを梶さんが上手く演じていましたね。特に巨人ぶっ殺す的発言は全編にわたって憎しみのこもった暗い迫力に満ちていてゾクゾクしました。エレン大好きマンことミカサも別方向に狂気じみていますが石川由依さんもハマり役でしたね。無口系ヒロインなのにちっとも可愛くないのがとても良かったです。(褒め言葉)
他にもアルミン・ジャン・兵長・ハンジなど原作イメージにピッタリの配役が多かったですね。
アクション主体の作品なので作品語りはあっさりしてしまいましたが、とにかく作品を観て迫力を体感して欲しい作品です。
総評
PAWORKSらしい実に丁寧な仕事ぶりで非常に贅沢な出来の作品でした。原作ファンの僕も大満足の出来です。こんなに良いアニメ化してくれてありがとうございます。久米田先生がキャラデザするとのことだったので、平面的な画面にするのかなと思ってたんですがまさかリアル志向で画面をまとめて来るとは……。リアルな背景の説得力と細かいキャラの演技付けと、ファンタジーなキャラデザというミスマッチさが良い意味で”森見京都世界”を表現出来ていて素晴らしかったです。
地の文をばっさりカットするという脚本方針も最初は不安でしたが、最終的に原作からブレないものに仕上げていて上手くリファインしていたと思います。またこの脚本だったからこそキャラクターの細々とした演技や画面レイアウトの妙に集中できるようになっていました。
ただまぁ、地の文カット・リアル志向の画面の弊害として若干湿っぽくなりすぎたかな?と思わなくも無いんですがあくまでアニメ化という調理の範囲内なので気にするほどでも無いです。むしろ原作未読の方は原作と読み比べる楽しみがあると思います。
作品自体は地味な作品というカテゴライズになるかと思いますが、その実ものすごく細かい計算の上で成り立っている作品なので未見の方がいるなら是非観て欲しい作品です。
脚本面に関して
ストーリー構成自体は原作準拠なのでアニメの評価というよりは原作評価になってしまいますが、序盤で静かに伏線を撒きつつ世界観を見せていき、後半の雲行きが怪しくなってどん底の展開を見せてから一気に盛り上げてしっとりとしたエピローグで締めるというまさにお手本のような構成です。こうして言葉にしてしまうと定番すぎてどうよ?と思われるかも知れませんが、やはりこの王道構成で質のいい作品を作られると視聴後の「良いもん観たぞ!」感が最高です。王道には王道たる所以があるのです。
原作読了後もこの気持ちのいい読後感を味わいましたが、アニメ視聴後も再び同じ幸福感に包まれました。
また原作は一気に読んでしまったので気づかなかったんですが、淀川先生の描写は一貫して”命を食すこと”への問いかけになっていたんですね。これはアニメとして毎週放送されるTV放送のアニメというスタイルだったからこそ気づけました。
また下鴨一家の家族愛についても、同様にTVアニメの構成の必然として強調される形になっていたかなと思います。
地の文の取り扱いに関して同原作者の作品をアニメ化した四畳半神話体系は”高速ナレーション”を答えに出してきましたが、本作は真逆を行くバッサリ地の文をカットするというものになっていて、同様の作品に対してここまで対照的なアプローチになるというのが面白いですね。しかもどちらもきちんと森見世界を表現出来ているので、アニメ表現の奥深さを感じました。
演出・作画に関して
脚本面で地の文を切った分、頑張ったのが作画での演技とレイアウト。いちいち挙げてたら枚挙に暇がないくらい良い演技・良いレイアウトの宝庫のような作品でした。よくもまぁ久米田キャラを使ってこんなに上手く演技付けできるなと感心してしまいますよ。どうしても久米田キャラというと某シャフトな”動かないアニメ”を連想してしまうので。
素晴らしいシーンについて敢えて一つあげるならやはり3話での弁天様が鯨を引っ張り上げるシーンでしょうか。弁天様が駆け出す瞬間から鯨の尾ひれを掴みあげるまで、あんな荒唐無稽なシーンなのに妙な美しさと弁天様の怪しげな魅力に溢れたシーンでしたね。
また鯨のシーンも含め、「いくらなんでも無茶苦茶だろ!」というような原作描写を尽く成立する画面に仕上げているというのも素晴らしいですね。ほとんどのコンテを吉原監督自身が切っているという点も含めて原作愛に溢れる仕事でした。
キャラクター及び役者陣について
繰り返しになりますが、本作はかなりリアル方面に振っているわけで役者陣の演技もそれに習って皆さんりリアル志向だったと思います。それが作品の湿っぽさに拍車を掛けている側面もあるのでバランスって難しいなと思いつつこれもこれで有りなのです。特に印象的なのは、母上@喜久子さん・弥一郎@諏訪部さん・弥二郎@吉野さん・弁天様@まみこ・早雲@飛田さん ですかね。
いやもちろん他の皆さん素晴らしいんですが。
下鴨家サイドのお三方はなんといっても泣きの演技が素晴らしかった。すんごい重い感情が乗ってて心に響きます。一方悪役サイドの2人はまぁその堂々たる悪役っぷりですよ。きっと弁天様・早雲にイラついた人も多かったんじゃないかしら。またどちらもタイプの違う悪役ですからね。
飛田さんは元々悪役に定評のある方なので早雲のタヌキ親父っぷりと実にマッチさした嫌らしい悪役でしたが、能登さんの悪女っぷりはすごく新鮮かつ堂に入った演技で感心しました。
こういうえんぎも
できるのよ
のとまみこ
(有頂天家族実況スレで何故か流行った遊び。あと早雲登場のたびに「くたばれー」と書き込む遊びも面白かった。)
弁天様のミステリアスさには、かなり翻弄されている人も多かったように思います。僕自身原作を読んだ時にはすごくイメージしにくいキャラクターだなと思っていました。
実際問題、弁天様が何者なのか?という点については原作の第二部、第三部待ちなので現状はミステリアスで天下無双な人という以上のキャラ付けは無いんですよね。でもこういうキャラはアニメには珍しいのですごく新鮮でしたし、なおかつ主人公がその女性に惚れているという点がすごく異色なので上手く他のアニメと差別化できてて良いと思います。
まだ原作2部が世に出てもいないのにこんな事をいうのも気が早い話ですが、是非第二部も同じスタッフで作って欲しいですね。