800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
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総評
この作品に対しての感想は色々複雑です。とりあえず最終回の美しさに全てを持って行かれた感が強いですね。文句もいっぱいあるんですがあの最終回見せられちゃうと何も言えない……的な。
情緒的な映像の見せ方については渡辺信一郎監督の得意なラインなので「やっぱスゴイわ」と思う反面、結局いつもの渡辺信一郎作品じゃねーか!と思ったのも事実。
なんでそんな捻くれた感想に至ったかというのは、やはり序盤のミスリードが原因だと思います。
本作の基本スタイルは序盤で謎をまき散らしておいてラストで種明かしをするというタイプなので、謎に対する答えに納得できたか?驚いたか?というのが1つの評価点になります。
そういう意味では、「うーん……あんまり」という感じなんですよね。あそこまで社会派メッセージ臭を醸し出していた前半からすると結局愛情の問題に着地してしまうのか、と。この答えが見せたいならもっと他のやり方があった気がしてしまいます。
(それこそ”テロ”、”奪われた子どもたち”、”愛”というキーワードだとピングドラムを想起させますね。)
で、ここまで文句いってもやっぱり最終回はすごいんですよ。シナリオ的にも映像的にもとにかく美しい。これだけ納得いってない僕をねじ伏せられるぐらい力強いフィルムになっている。その事実だけ取ってみてもすごい作品だと言わざるをえない。
世の中的に「ハイヴいらなかったんじゃねーの」みたいな声も聞こえますが、あんまりそういう局所的な問題でも無い気がするんですよね。最終的なテーマ部分を語るにはハイヴ必要だし。
ようは上で触れたとおりに序盤で張った伏線に対して視聴者が納得できる回答を用意できるかどうかが全てだと思います。
本作で言えば原爆、テロ、劇場型犯罪というモチーフを回収できるかどうかって話ですね。
なのでスタッフにこの手の謎かけが得意なライターを連れてくれば……!という気がします。本作だとシリーズ構成置いてないのでその辺が手落ちだったかなぁという感じですね。
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中間感想
分割4クールという特殊な放送枠なのでまだ前半終了にすぎないのですが、とりあえず区切りということでここまでの感想を残しておきます。1部・2部と同じスタッフでの制作ということで相変わらず気合の入った原作再現で原作の魅力を十分引き出していました。
またアニメ特有の要素としてスタンドの動きと音、敵キャラのキャスティングの2点が素晴らしかったです。
ただこの分割4クールという体制に良し悪しがあるな、というのが不満点として残りました。
スタンド描写そして敵キャラのキャスティング
スタンド描写は映像もさる事ながら音響に演出が迫力ありました。スタンドの出現音や攻撃時の音に重厚感があって自分の中のスタンドに対するイメージが違和感なく上書きされました。特に良かったのはマジシャンズレッド。炎と爆発のエフェクトが大迫力でした。アブドゥルは偽装死亡のおかげで登場回が少ないんですが、戦闘のたびに痺れましたね。
キャスティングについては、タワーオブグレー戦での長さん・ダークブルームーン戦での玄田さんが配役という時点で攻めのキャスティングでいくつもりなんだな、と理解しましたね。ジョジョは台詞と演技がかなり特殊な作品だと思うんですけど、どのゲスト声優さんも見事にジョジョ世界に馴染む演技を見せてくれて素晴らしかったです。
あと家出少女に釘宮さんって……。そこは遊びすぎだろ!と思いましたがこういう意外なキャスティングも楽しかったです。
4クール体制の功罪
全4クール体制についてですが、ジョジョ3部は長期連載作品だったのでそもそも長い放送枠が必要だったり雑魚戦も端折らずにアニメ化したいという熱意はわかるんです。ただ前半を見る限りエピソード的にあまり重要じゃない回まで前後編になっていたりして冗長な描写が散見されました。
また1部・2部アニメ化の際には詰め込みに詰め込んだ圧縮感がむしろ作品全体のエネルギーになっていたので、そこが無くなってしまったのはやはりパワー不足に感じてしまいます。
とはいえまだ前半戦、ここからスタンドバトルは激化していくのでそれをどう構成していくのかによっては「やっぱ4クールで正解だった!」となる可能性はあります。
後半戦で何を見せてくれるのかに期待したいと思います。