800画報アニメ観戦記
アニメの感想とか近況報告
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TVアニメ ラブライブ!のまとめ感想です。
正直放映前は所詮、読参企画が原作のアニメと見くびってました。
作画・脚本・演出がどれをとってもガチに仕上げてきていてかなり良作だったと思います。
読参企画ゆえに脚本への縛りは緩かったと思うのですが、その自由さのなかで制作陣がきちんとテーマを決めて物語を描いているのが伝わって来ました。
これがもし、ただただキャラを動かすことだけに終始して原作ファンに媚びるような内容を目指していたら絶対駄作になっていたでしょう。
全編にわたって描かれたテーマはμ'sのメンバー1人ひとりの「スクールアイドルになる思い」だと思います。
何より上手かったのが、10話までで一通りのメンバーの意思を描いた後に10話~13話で主人公の穂乃果自身の思いにフォーカスしたことだと思います。
これの為に、物語序盤の動機付けだった”廃校”や中盤に発生したμ'sの目的である”ラブライブ”すらもかなぐり捨てるシナリオには度肝を抜かれました。
終盤の展開は賛否両論ありますが、個人的にはベタにスクールアイドルとしての成功物語にせず、各キャラの思いにスポットを当てることを選んだこのシナリオは成功だと思います。
演出面においては、それぞれのメンバーが思いに耽る描写にはフィルターがかかったかのような演出が入り作画もグッと力の入ったカットになっていたのが特徴的でした。
この演出に西田亜沙子さんのキャラデザがよく馴染み非常に艶やかな画面になっていたと思います。
またドラマが盛り上げる場面には必ず演出がいい仕事をしていましたね。
作画についてはなんと言ってもライブシーンでしょう。
まずOPのライブ描写で心を掴まれた人も多いのではないでしょうか。僕もその一人です。
劇中のライブシーンは毎回新曲で新規衣装という豪華さで作画の崩れもなくよくここまで動かせるもんだと感心してしまいました。
とまぁここまでで挙げたように隙のない作品なのですがただ一点、シナリオの重さに声優の演技が追いついて無いのが非常に悔やまれました…。
企画経緯から考えれば技量の乏しい声優が担当するのはしかたのない事だしギャグシーンや日常描写ではまだ目を潰れるものの、感情の乗ったシリアスでドラマチックなシーンではどうしても力不足で作品の質を一段落としてしまったと感じます。
惜しいです。
それと作品外のことではありますが、この作品は僕の観測範囲ではなかなか広い範囲に受け入れられているのが珍しかったですね。
近年の傾向として個々人の趣味が細分化していて人に作品を勧めるのがなかなか難しいのですが、この作品は非常に人に勧めやすいなと感じました。
それでは、また次回
正直放映前は所詮、読参企画が原作のアニメと見くびってました。
作画・脚本・演出がどれをとってもガチに仕上げてきていてかなり良作だったと思います。
読参企画ゆえに脚本への縛りは緩かったと思うのですが、その自由さのなかで制作陣がきちんとテーマを決めて物語を描いているのが伝わって来ました。
これがもし、ただただキャラを動かすことだけに終始して原作ファンに媚びるような内容を目指していたら絶対駄作になっていたでしょう。
全編にわたって描かれたテーマはμ'sのメンバー1人ひとりの「スクールアイドルになる思い」だと思います。
何より上手かったのが、10話までで一通りのメンバーの意思を描いた後に10話~13話で主人公の穂乃果自身の思いにフォーカスしたことだと思います。
これの為に、物語序盤の動機付けだった”廃校”や中盤に発生したμ'sの目的である”ラブライブ”すらもかなぐり捨てるシナリオには度肝を抜かれました。
終盤の展開は賛否両論ありますが、個人的にはベタにスクールアイドルとしての成功物語にせず、各キャラの思いにスポットを当てることを選んだこのシナリオは成功だと思います。
演出面においては、それぞれのメンバーが思いに耽る描写にはフィルターがかかったかのような演出が入り作画もグッと力の入ったカットになっていたのが特徴的でした。
この演出に西田亜沙子さんのキャラデザがよく馴染み非常に艶やかな画面になっていたと思います。
またドラマが盛り上げる場面には必ず演出がいい仕事をしていましたね。
作画についてはなんと言ってもライブシーンでしょう。
まずOPのライブ描写で心を掴まれた人も多いのではないでしょうか。僕もその一人です。
劇中のライブシーンは毎回新曲で新規衣装という豪華さで作画の崩れもなくよくここまで動かせるもんだと感心してしまいました。
とまぁここまでで挙げたように隙のない作品なのですがただ一点、シナリオの重さに声優の演技が追いついて無いのが非常に悔やまれました…。
企画経緯から考えれば技量の乏しい声優が担当するのはしかたのない事だしギャグシーンや日常描写ではまだ目を潰れるものの、感情の乗ったシリアスでドラマチックなシーンではどうしても力不足で作品の質を一段落としてしまったと感じます。
惜しいです。
それと作品外のことではありますが、この作品は僕の観測範囲ではなかなか広い範囲に受け入れられているのが珍しかったですね。
近年の傾向として個々人の趣味が細分化していて人に作品を勧めるのがなかなか難しいのですが、この作品は非常に人に勧めやすいなと感じました。
それでは、また次回
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TVアニメ 新世界よりのまとめ感想です。
いやぁ恐ろしい作品でしたね。色んな意味で。とにかく原作が良く出来ているんでしょう、シナリオの安定感が半端じゃなかった。
SF世界を構築する細かい設定を無理なくシナリオに組み込みつつ、作品テーマを浮き彫りにし、エンターティメントとしてまとめる。この仕事を達成した時点でもう称賛を送っていいと思います。
物語序盤の段階で原作を読みたくてウズウズしてたんですがこれでやっと読むことができそうです。
シナリオについてはとにかく良く出来ていて細かい言及をしても仕方がないので、主に演出について語っていきましょう。
まず良かった点として、音響の使い方が上手かったですね。独特の雰囲気作りや恐怖・緊張感の煽り方が素晴らしかった。
呪力の発動を音で表現したこと上手くて、これのおかげで映像的に分かりにくい呪力を分かりやすく表現出来ていたと思います。
またホラー演出が秀逸でしたね。町の中でも外でも、次の瞬間には誰かが死ぬんじゃないかという緊張感が途切れませんでした。
悪鬼から逃げるシーンなんかは原作者の本領発揮というべきホラー展開で、露骨に死に役のモブが出てきたりと作品全体の流れとは別に楽しめました。
それと音響関連で声優さんの演技について。
主人公の早季を12歳から26歳まで見事に演じきった種田梨沙さんが新人声優とは思えない演技力でしたねぇ。種田さんが一貫して早季を演じる事でキャラクターに統一感が出来て良かったです。
またこちらも12歳編から26歳編まで一貫して登場したスクィーラ演じる浪川さんも良かったです。
浪川さんらしからぬ配役だったものの、怪しい役柄を見事に演じられていて浪川さんの新たな役幅を感じました。12歳編での超腰の低い態度から26歳編での老獪な語り口への変化が特に良かったですねぇ。
全体を通してよく出来た作品なんですが、上手くいっていない点もいくつかありました。
まずアニメ放映前の煽りとして「映像化不可能といわれた小説がアニメ化」となっていましたが、残念ながら映像化できてない描写が所々にありました。いや、それでもかなり頑張っていたし破綻はしてないんですけどね。
まず呪力というものがとにかく強力かつファジーな概念なので、遺伝子レベルで影響を及ぼしてる時には映像で何が起きてんだかさっぱりわからないという点。
象徴的なのは、業魔となった瞬と早季と対話するシーンと鏑木肆星が死ぬシーン。
瞬と早季の対話シーンでは、瞬の無意識の呪力が早季に影響した結果、後に早季の意識下に瞬の断片が残ったらしいのだけどそんな事分かるわけがない。(もちろん作中での言及もない)
結果、早季の記憶封鎖が解けて瞬を思い出すシーンもなんだか曖昧でなし崩し的になってしまいました。
鏑木肆星が死ぬシーンでは、”鏑木の強い殺気によって無意識化の呪力が悪鬼に向かい愧死機構が発動して自滅した”というのが原作読者の見解なんだけど、あの映像とセリフでそれを察知するの無理ですから。普通に悪鬼の呪力食らって死んだのだと思いましたよ。
あと何点かもうちょっと丁寧に描写してほうがいいかなという所があったんですが、その辺は原作と読み比べてみないとなんとも言えないですね。この作品は”早季目線からみた事実”という事が重要なので早季が知らない情報を描くわけにもいかないという事情もありますしね。
それと印象的なのが賛否両論を生んだ5話と10話の山内重保演出回。
山内さんの雰囲気重視の演出を切って捨てるには勿体無いと思う部分もあるのですが、上段で語ったようにこの作品は全体を通して説明的な演出に徹した方が良かったかなと思います。
なのでこの原作を映像化するにあたって山内さんを起用したのは間違いだったのではというのが率直な感想です。
まぁ色々とグダグダ書いてますが上手く行ってない点を含めても総合的には良く出来ていますし、作品テーマに関わる描写は明確なので万人に薦めたい良作ですね。
個人的には今期終了作品のなかではガルパンに次ぐ面白さで、大変楽しませて貰いました。(この重厚なシナリオに打ち勝てるガルパンが脅威的だなぁ。)
それでは、また次回
いやぁ恐ろしい作品でしたね。色んな意味で。とにかく原作が良く出来ているんでしょう、シナリオの安定感が半端じゃなかった。
SF世界を構築する細かい設定を無理なくシナリオに組み込みつつ、作品テーマを浮き彫りにし、エンターティメントとしてまとめる。この仕事を達成した時点でもう称賛を送っていいと思います。
物語序盤の段階で原作を読みたくてウズウズしてたんですがこれでやっと読むことができそうです。
シナリオについてはとにかく良く出来ていて細かい言及をしても仕方がないので、主に演出について語っていきましょう。
まず良かった点として、音響の使い方が上手かったですね。独特の雰囲気作りや恐怖・緊張感の煽り方が素晴らしかった。
呪力の発動を音で表現したこと上手くて、これのおかげで映像的に分かりにくい呪力を分かりやすく表現出来ていたと思います。
またホラー演出が秀逸でしたね。町の中でも外でも、次の瞬間には誰かが死ぬんじゃないかという緊張感が途切れませんでした。
悪鬼から逃げるシーンなんかは原作者の本領発揮というべきホラー展開で、露骨に死に役のモブが出てきたりと作品全体の流れとは別に楽しめました。
それと音響関連で声優さんの演技について。
主人公の早季を12歳から26歳まで見事に演じきった種田梨沙さんが新人声優とは思えない演技力でしたねぇ。種田さんが一貫して早季を演じる事でキャラクターに統一感が出来て良かったです。
またこちらも12歳編から26歳編まで一貫して登場したスクィーラ演じる浪川さんも良かったです。
浪川さんらしからぬ配役だったものの、怪しい役柄を見事に演じられていて浪川さんの新たな役幅を感じました。12歳編での超腰の低い態度から26歳編での老獪な語り口への変化が特に良かったですねぇ。
全体を通してよく出来た作品なんですが、上手くいっていない点もいくつかありました。
まずアニメ放映前の煽りとして「映像化不可能といわれた小説がアニメ化」となっていましたが、残念ながら映像化できてない描写が所々にありました。いや、それでもかなり頑張っていたし破綻はしてないんですけどね。
まず呪力というものがとにかく強力かつファジーな概念なので、遺伝子レベルで影響を及ぼしてる時には映像で何が起きてんだかさっぱりわからないという点。
象徴的なのは、業魔となった瞬と早季と対話するシーンと鏑木肆星が死ぬシーン。
瞬と早季の対話シーンでは、瞬の無意識の呪力が早季に影響した結果、後に早季の意識下に瞬の断片が残ったらしいのだけどそんな事分かるわけがない。(もちろん作中での言及もない)
結果、早季の記憶封鎖が解けて瞬を思い出すシーンもなんだか曖昧でなし崩し的になってしまいました。
鏑木肆星が死ぬシーンでは、”鏑木の強い殺気によって無意識化の呪力が悪鬼に向かい愧死機構が発動して自滅した”というのが原作読者の見解なんだけど、あの映像とセリフでそれを察知するの無理ですから。普通に悪鬼の呪力食らって死んだのだと思いましたよ。
あと何点かもうちょっと丁寧に描写してほうがいいかなという所があったんですが、その辺は原作と読み比べてみないとなんとも言えないですね。この作品は”早季目線からみた事実”という事が重要なので早季が知らない情報を描くわけにもいかないという事情もありますしね。
それと印象的なのが賛否両論を生んだ5話と10話の山内重保演出回。
山内さんの雰囲気重視の演出を切って捨てるには勿体無いと思う部分もあるのですが、上段で語ったようにこの作品は全体を通して説明的な演出に徹した方が良かったかなと思います。
なのでこの原作を映像化するにあたって山内さんを起用したのは間違いだったのではというのが率直な感想です。
まぁ色々とグダグダ書いてますが上手く行ってない点を含めても総合的には良く出来ていますし、作品テーマに関わる描写は明確なので万人に薦めたい良作ですね。
個人的には今期終了作品のなかではガルパンに次ぐ面白さで、大変楽しませて貰いました。(この重厚なシナリオに打ち勝てるガルパンが脅威的だなぁ。)
それでは、また次回
TVアニメ ガールズ&パンツァーのまとめ感想です。
まぁいうまでもなく傑作でしたね。正直放送前は全然期待してなかったのでここまでの作品になるとは驚きです。
本当にアニメは始まってみるまでわからないなぁ、と。
部活モノの王道的なトーナメント制リーグを勝ち上がっていくプロットに、”負けたら廃校”というベタな動機付け、さらに弱小チームが奇襲戦法で強豪チームに挑むというこれまたベタなギミックで構成されていた本作ですが、ドラマ的な目新しさが無いシナリオでもここまで引きこまれたのは”キャラクター”と”戦車”という2本柱を丁寧に描写していった成果だったと思います。
戦車戦については全般的に水島監督が演出・コンテに関わってる回のクオリティが高く、最終回だけでも戦車視点(砲台の下にカメラを付けたかのようなカメラワーク)での打ち合いや、学校入口で立ちはだかるポルシェティーガー、戦車ドリフトなど映像的な見せ場を上手に見せてくれて素晴らしいエンターティメント作品だなと感心しきり。
僕はミリタリ関係の知識ゼロなんですが、そんな人間にも伝わるぐらい「戦車ってカッコイイだろ!」という熱意が伝わる戦車戦でした。
また、この作品の魅力の2本柱のもう一方のキャラクターついては、序盤の頃は「大洗女子の面子だけでもこんなにいるなんて多すぎじゃない?覚えられないよ」なんて思っていましたが回を追うごとに各キャラの魅力が浮き彫りになりネトゲチーム・自動車部チームが加わってもドンとこいなぐらい余裕でキャラを覚えられましたね。
これだけ大勢のキャラクターを生かす手法として短かくても印象に残るようなセリフを毎回入れていたのが特徴的だったかなと思います。短いセリフをポンポンといれることでセリフにテンポが生まれていたのも良い副作用になっていました。
大洗チームのキャラクターは皆お気に入りなんですが、特に思い入れがあるのが1年生チームです。聖グロリアーナ戦での敵前逃亡から徐々に成長していく姿が描かれていてサブキャラクターながらも彼女たち主体のドラマを感じさせてくれました。
大好評で終了した本作なので、世間的には「2期もいけるんじゃないか?」と期待があったり制作側からも2期に意欲を示す声が聞こえてきたりしますが、個人的には大洗女子のお話はこれで完結にして水島監督のオリジナルアニメ第2弾が観てみたいなぁというのが希望ですねぇ。
さて、どうなることやら。
それでは、また次回。
まぁいうまでもなく傑作でしたね。正直放送前は全然期待してなかったのでここまでの作品になるとは驚きです。
本当にアニメは始まってみるまでわからないなぁ、と。
部活モノの王道的なトーナメント制リーグを勝ち上がっていくプロットに、”負けたら廃校”というベタな動機付け、さらに弱小チームが奇襲戦法で強豪チームに挑むというこれまたベタなギミックで構成されていた本作ですが、ドラマ的な目新しさが無いシナリオでもここまで引きこまれたのは”キャラクター”と”戦車”という2本柱を丁寧に描写していった成果だったと思います。
戦車戦については全般的に水島監督が演出・コンテに関わってる回のクオリティが高く、最終回だけでも戦車視点(砲台の下にカメラを付けたかのようなカメラワーク)での打ち合いや、学校入口で立ちはだかるポルシェティーガー、戦車ドリフトなど映像的な見せ場を上手に見せてくれて素晴らしいエンターティメント作品だなと感心しきり。
僕はミリタリ関係の知識ゼロなんですが、そんな人間にも伝わるぐらい「戦車ってカッコイイだろ!」という熱意が伝わる戦車戦でした。
また、この作品の魅力の2本柱のもう一方のキャラクターついては、序盤の頃は「大洗女子の面子だけでもこんなにいるなんて多すぎじゃない?覚えられないよ」なんて思っていましたが回を追うごとに各キャラの魅力が浮き彫りになりネトゲチーム・自動車部チームが加わってもドンとこいなぐらい余裕でキャラを覚えられましたね。
これだけ大勢のキャラクターを生かす手法として短かくても印象に残るようなセリフを毎回入れていたのが特徴的だったかなと思います。短いセリフをポンポンといれることでセリフにテンポが生まれていたのも良い副作用になっていました。
大洗チームのキャラクターは皆お気に入りなんですが、特に思い入れがあるのが1年生チームです。聖グロリアーナ戦での敵前逃亡から徐々に成長していく姿が描かれていてサブキャラクターながらも彼女たち主体のドラマを感じさせてくれました。
大好評で終了した本作なので、世間的には「2期もいけるんじゃないか?」と期待があったり制作側からも2期に意欲を示す声が聞こえてきたりしますが、個人的には大洗女子のお話はこれで完結にして水島監督のオリジナルアニメ第2弾が観てみたいなぁというのが希望ですねぇ。
さて、どうなることやら。
それでは、また次回。